新鬼武者戦記その1
照りつける太陽、容赦無く流れ落ちる汗。
水が無ければ意識を失ってしまうのではないか?
悴む手に載せられた携帯を触りながら数ヶ月前の事を考えていた。
要するに、早く夏が来い、と。
時計の短針が9を示した所、漸く北風の洗礼も終わり私は二人に一人は機嫌が良いされる蒼い鬼の下へと向かった。
二人に一人機嫌が良いのなら適当に座っても問題なかろう、と奥の方で待ち構えていた彼と戯れる事を決めた。
私が選んだ彼はすこぶる機嫌は宜しいのか、僅か45ゲーム目にして強チェリーを頂いた。
そんな機嫌の良い彼と戯れて早3000G。
彼特製ベルを頂けた確率を数えてみればなんと68分の1である。
なんと、最も機嫌の良い時に頂ける数字と同じではないか。
ここまで来てこの数字であれば恐らく真に機嫌が良いのではないか?と意気揚々となる私。
しかしながら、通常時であろう状況から頂いた強、中段チェリーからは彼が本気になる姿を拝めない。
さては・・・いや、しかし・・・。
ここまで本気になって頂けないのであれば、私の期待も虚しく最も機嫌が良い訳では無い、と決断せざるを得ない。
だが・・・それなりに機嫌の良い可能性は高いであろう、と。
その考えを後押しするのか、他の彼等と対峙している打ち手の姿はあまり見かけられない。
恐らく今日は最も機嫌の良い彼等を集めず、それなりに機嫌の良い彼等が集まってるのだろう。
19:20、恐らく本気になった彼を見届けられる事の出来るギリギリであろう時間を迎えた為、彼との戯れを終らせる事とした。
非常に名残惜しいのではあるが仕方あるまい。
終ってみれば蜘蛛男や、必殺技を使うボクサーが最も機嫌の良い日以上のコインを手にする事が出来た。
頂いた特製ベルの数も豊富であり、それなりに機嫌が良かったのは間違いなさそうである。
まさか、立ち上がり早々に頂いた強チェリーで彼が本気になり、4000枚ものコインをプレゼントしてくれるとは思いもしなかった。
恐らくは昨日は相当な程良い事があったであろう。
お初と・・・いや、折角の上機嫌を崩す行為は慎んでおかねばなるまい。